
長く歩いていると、お尻や足の付け根の内側が痛くなってくる。
しゃがんだり、立ち上がったりするときにズキッとする。
椅子に座っている分には平気なのに、地べたに座ると痛みが出て、足がうまく外に開かない。
こんにちは、鷺の宮整骨院の院長、池田太一です。
中村橋・鷺宮・鷺ノ宮・都立家政エリアにお住まいやお勤めの40〜60代の方から、こうしたご相談をいただくことがあります。
今回は、実際にご来院された方の状態をもとに、お尻や股関節の内側が痛む背景を、「足の使い方」という視点からお伝えします。
1.痛む場所と、負担が集まっている場所は別のことがあります
「お尻と股関節の内側が痛い」と聞くと、股関節そのものや腰を心配される方が多いと思います。
ところが、動きを確認しながら丁寧に触れていくと、痛みの出ている場所とは別のところに、強い張りが見つかることがよくあります。
今回ご紹介する方(40〜60代の女性に多いパターンの一例です)では、次のような特徴がありました。
- **太ももの前側(大腿四頭筋)**が、全体的にパンパンに張っていた
- **お尻の奥や外側(梨状筋などの外旋六筋、中殿筋、大腿筋膜張筋)**の張りが特に強かった
- **膝の内側(鵞足・がそく)**を押すと、強い痛みがあった
- **太ももの内側を斜めに走る縫工筋(ほうこうきん)**が、張りというより「硬くて伸びない」状態だった
- 内転筋(太ももの内側)にも張りや痛みはあったが、それほど強くはなかった
- 意外なことに、腰の張りは強くなかった
腰ではなく、足まわりの筋肉に負担が偏っている。この偏りが、今回のポイントです。
2.「縫工筋」という、あまり知られていない筋肉
縫工筋は、骨盤の前側(骨盤の出っ張りのあたり)から始まり、太ももの内側を斜めに横切って、膝の内側(鵞足)まで届く、体の中でいちばん長い筋肉のひとつです。股関節を曲げる、外に開く、膝を曲げるといった動きに関わっています。
この筋肉が硬くなって伸びにくくなると、脚を外に開いたり、股関節を深く曲げたりする動きが引っかかりやすくなります。今回の方では、股関節の痛みが、骨盤の前側から足の付け根にかけての縫工筋の付け根部分で最も強く出ていました。そこで当院では、縫工筋の硬さが股関節の動きを制限している一因ではないか、と考えました。
縫工筋は、ストレッチやマッサージの対象として取り上げられることが少ないため、見落とされがちな筋肉です。膝の内側の痛み(鵞足)も、同じ縫工筋のつながりの中で見ていきます。
3.なぜ椅子は平気で、地べた座りだと痛いのでしょうか
椅子に座るときの股関節は、ほぼ直角に曲がり、脚は前に向いています。一方、地べたに座る姿勢(あぐら・横座りなど)では、股関節を外に開き、さらに外にひねる動きが加わります。
つまり、お尻の奥の外旋六筋、縫工筋、内転筋が、椅子のときより大きく引き伸ばされます。もともと硬くなっている筋肉は、この動きについていけず、痛みや突っ張りとして表に出ます。「椅子なら平気」という点は、筋肉の硬さが関係しているサインのひとつと考えられます。
4.偏りの背景にあるのは「足の使い方」です
では、なぜ太ももの前やお尻の外側ばかりが頑張ってしまうのでしょうか。今回の方の動きを見ていくと、次の2つが目立ちました。
① 外反母趾で、足裏のバランスが崩れている
足の親指が外に曲がると、親指の付け根でしっかり地面を押せなくなります。すると、足裏のアーチが保てず、体重のかかり方が偏ります。
② 歩くとき、膝が内側に入る(ニーイン)
膝を曲げていく際に、膝が内側へ入り込む動きです。足裏のバランスが崩れると、膝がぐらつきやすくなり、このクセが出やすくなります。
膝が内に入ると、太ももの前側(大腿四頭筋)は膝を支えるために踏ん張り続け、お尻の外側の筋肉は骨盤が揺れないよう必死に支え続けます。さらに、膝の内側には負担がかかり、鵞足の痛みにつながります。
足先の小さなクセが、膝・太もも・お尻・股関節へと連鎖していく。そのため、痛い場所だけを揉んでも、また張りが戻ってしまうことがあるのです。
足元と全身のつながりについては、こちらの記事でも触れています。
→ ふくらはぎがパンパンに硬くなり重だるさを感じる方へ|原因は「姿勢」に隠れているかもしれません
5.1分でできるセルフチェック
チェック①:膝の向きを確認する
iPhoneを正面に置いて動画を撮りながら、ゆっくり浅くしゃがんでみます。膝が内側に入り込んでいないか、左右で違いがないかを見てみましょう。
チェック②:足の指を開けますか?
座って、足の指を「グー・パー」と動かします。親指が外に曲がっている、指がうまく開かない、といった場合は、足裏の使い方に偏りがあるかもしれません。
チェック③:座って、膝を外に開いてみる
椅子に浅く座り、足裏を床につけたまま、膝をゆっくり外に開きます。左右で開き方や引っかかる場所が違わないか確かめます。
当てはまる項目があっても、それだけで原因が決まるわけではありません。「足の使い方が関係しているかも」という手がかりとして、お使いください。
6.今日からできる3つのセルフケア
① 足の指をひらく時間をつくる
お風呂上がりなどに、足の指を1本ずつ広げたり、「グー・パー」をゆっくり10回ほど行います。
② 歩くときは「膝とつま先の向き」をそろえる
歩くとき、膝のお皿がつま先と同じ方向を向いているイメージを持ちます。意識しすぎて力まない範囲で十分です。
③ 張っているところを強く押しすぎない
太ももの内側や膝の内側は、強く押すと防御的に硬くなることがあります。入浴で温めたあと、手のひらでやさしくさする程度にとどめましょう。
痛みが強い動き(深くしゃがむ、無理に脚を開く)は、無理に続けないでください。
7.こんなときは、先に医療機関へご相談ください
股関節まわりの痛みには、筋肉の張りだけでなく、関節そのものや骨、内臓などが関係していることもあります。
たとえば、じっとしていても強く痛む、夜眠れないほど痛い、転んだりぶつけたりしたあとから急に痛くなった、足に力が入らない、しびれが広がっている、発熱や体重減少を伴う、といった場合です。こうしたときは、整形外科などの医療機関を、先に受診してください。
画像検査などで確認が必要な状態を見逃さないことも、安心して身体と向き合ううえで大切です。
8.鷺の宮整骨院でのみかた
当院では、まず痛みが出る場面(歩く・しゃがむ・地べたに座る)を詳しくお聞きします。そのうえで、次の流れで原因を探ります。
- iPadで全身を撮影し、足裏の体重のかかり方や、骨盤・膝の位置を一緒に確認します
- 歩く・しゃがむ動きを見て、膝が内に入るクセや、股関節の動きの制限を確認します
- 太もも・お尻・膝の内側の筋肉を触れて、張りの強い場所と、そうでない場所を見分けます
- トムソンベッドや骨盤ゆらゆら整体など、身体に負担をかけにくい施術で、骨格と筋肉のバランスを整えます
- 足の指の使い方など、ご自宅でできるセルフケアをお伝えします
痛い場所だけを緩めるのではなく、「なぜその筋肉ばかりが頑張っているのか」という背景まで一緒に考えていきます。
今回の方も、施術後に「地べたに座ったときの痛みが少し楽になった気がする」とお話しされていました。もちろん、感じ方や変化には個人差がありますし、1回で状況が大きく変わるとは限りません。ただ、痛みが出る動きを施術の前後で一緒に確かめることで、「何が関係していたのか」を一緒に見つけていくことを大切にしています。
効果の感じ方や通院の目安には個人差がありますので、お一人おひとりの状態に合わせてご提案します。
関連して、骨盤まわりの痛みについてはこちらもご覧ください。
→ 「ぎっくり腰かも?」と思ったのに、腰そのものは痛くない|階段で脚が上げづらい原因は「骨盤まわり」にあるかもしれません
よくあるご質問
Q.股関節が硬いのは、年齢のせいでしょうか?
A.年齢も関係しますが、足の使い方や歩き方のクセによって、特定の筋肉に負担が集まっている場合も少なくありません。
Q.痛みがあるのに、腰を調べないのはなぜですか?
A.腰の状態も確認します。ただ、今回のように、腰の張りは強くなく、足まわりの筋肉に偏りが見られる方もいらっしゃいます。痛い場所だけでなく、全体を見て判断します。
Q.ストレッチをすれば、股関節は柔らかくなりますか?
A.硬くなっている理由によって、合う方法は異なります。足の使い方が原因の場合は、ストレッチだけでは戻りやすいこともあるため、まずは状態の確認をおすすめします。
おわりに
「歳のせいだから」「地べたに座らなければいい」と、あきらめてしまう前に、足元の使い方から見直してみませんか。中野区の中村橋・鷺宮・鷺ノ宮・都立家政エリアで、歩くときや立ち座りの痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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鷺の宮整骨院基本情報
中野区 鷺ノ宮、都立家政、中村橋で腰痛・肩こり・坐骨神経痛にお悩みなら「鷺の宮整骨院」へ
当院では、痛みの根本原因である「骨格の歪み(猫背や反り腰)」や「胸郭・腹圧の低下」に対して、解剖学に基づいた的確なアプローチを行います。長引く不調を根本から変えたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
院名 : 鷺の宮整骨院(さぎのみやせいこついん)
院長 ; 池田 太一 (いけだ たいち)
住所 : 〒165-0032 中野区鷺宮3-32-3(西武新宿線「鷺ノ宮駅」徒歩3分)
電話番号 : 03-5356-8401
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